ASCII Power Review 第179回
40周年であの名機が復活なのだ
富士通「FMV LOOX」実機レビュー = PC連携が便利な12世代コア超軽量タブレットだ!
2022年07月06日 10時00分更新
富士通クライアントコンピューティング(FCCL)はWindows 11搭載13.3型タブレットPC「FMV LOOX」を発売した。
本製品は「FUJITSU PC 40th Anniversary企画」第3弾として発売されたタブレットPC。13.3型ワイドのWindowsタブレットとして世界最軽量の約599g、世界最薄の7.2mmを実現。ほかのPCとUSB Type-Cケーブル1本で接続して連携する「クリエイティブコネクト」など独自機能も搭載されている。カバー型キーボード、分離型キーボードを用意している点もFCCLならではの特色だ。
LOOXファンのみなさんも気になる使い勝手に注目してレビューをお届けしよう。
CPUは第12世代(Alder Lake)の省電力版Uシリーズを搭載
LOOXはOSにWindows 11 Home/ Pro、CPUに第12世代(Alder Lake)の「Core i5-1230U」(10コア[Pコア×2、Eコア×8]、12スレッド、最大4.40GHz)または「Core i7-1250U」(10コア[Pコア×2、Eコア×8]、12スレッド、最大4.70GHz)を採用している。
メモリーは8GB/16GB(LPDDR4X-4267)、ストレージは128GB/256GB/512GB/1TB(PCIe Gen3 x4接続SSD)を搭載している。
ディスプレーは13.3型有機EL(1920×1080ドット、HDR、10点マルチタッチ、AES2.0デジタイザーペン対応)。カメラは背面にオートフォーカス対応の約1258万画素(F2.0)、前面にWindows Hello対応の約207万画素を搭載。オーディオ機能は4個のボックススピーカーとステレオマイクを内蔵している。
インターフェースはThunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode、クリエイティブコネクト対応)×1、キーボード接続コネクター×1を装備。ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(11ax)とBluetooth 5.1をサポートしている。WEB MARTのカスタムメイドモデルでは5GのWWAN機能も内蔵可能だ。
本体サイズは307×190×7.2mm、重量は約599g。35Whのリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約12時間、バッテリー充電時間は約2.3時間とされている。防滴性能はIPX2、防塵性能はIP4Xだ。
同梱品は本体、ACアダプター、電源ケーブル、FMV LOOXキックスタンド、USB Type-Cケーブル、説明書類(マニュアル、保証書)。AES2.0デジタイザーペン「FMV LOOXペン」(直販価格1万3200円)や、キーボードなどは別売り。キーボードが選べるのはよいが、できればペンは同梱してほしかったところだ。

本体サイズは307×190×7.2mm、重量は約599g。13.3型有機EL(1920×1080ドット、HDR、10点マルチタッチ、AES2.0デジタイザーペン対応)は「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

左側面(下)にはUSB 3.2 Gen2 Type-C(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode、クリエイティブコネクト対応)、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)、スピーカー×2を配置

パッケージには、本体、ACアダプター、電源ケーブル、FMV LOOXキックスタンド、USB Type-Cケーブル、説明書類(マニュアル、保証書)が同梱。「FMV LOOXキーボード」や「FMV LOOXペン」は別売り
仕事や創作活動を効率化する独自機能
「クリエイティブコネクト」を搭載
LOOXは独自機能として、ほかのPCとUSB Type-Cケーブル1本で接続して連携する「クリエイティブコネクト」を搭載する。
接続先のPCに「クリエイティブコネクト」アプリをインストールしておけば、相互に操作できる「デュアルPCモード」、LOOXをセカンドディスプレーとして利用できる「セカンドディスプレイモード」、液晶タブレットとして利用できる「ペンタブレットモード」などを活用できる。
デュアルPCモードはファイルをドラッグすれば相互にファイルをコピー可能だ。高負荷な処理はデスクトップPC、ペンなどを使ったクリエイティブワークには LOOXと使い分ければ、作業効率も大幅にアップするはずだ。
LOOXのキーボードにはふたつの選択肢がある。ひとつ目はFCCLのキーボードマイスター・藤川英之氏が監修したカバー型キーボード「FMV LOOXキーボード」、ふたつ目は「FUJITSU PC 40th Anniversary」企画の第1弾としてリリースされた「FMV Mobile Keyboard」。どちらもキーピッチは約19mm、キーストロークは約1.5mmという点は同じ。
しいて言うと、剛性は「FMV Mobile Keyboard」のほうが上で、ややLOOXキーボードのほうが強く打鍵したときに震動が残るのを感じる。しかし、打鍵感という点では大きな差はないと思う。できれば両方買って、屋外と室内で使い分けたいところである。
13.3型有機EL(1920×1080ドット)は高輝度、高色純度、広視野角、高速応答が謳われているものの、細かなスペックが公開されていない。そこでカラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で色域を実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、sRGB比は156.0%、AdobeRGBカバー率は98.4%、AdobeRGB比は115.6%、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は115.0%となった。
RAW画像の現像から動画のカラーグレーディングまで、プロのクリエイティブワークにも活用できる広色域を備えている。

実測したsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は156.0%、AdobeRGBカバー率は98.4%、AdobeRGB比は115.6%、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は115.0%

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